2013年5月10日金曜日

自給率という点では、地方は有利かもしれないというおはなし

朝日新聞さんの連載で、葛巻町のことを書いたので
そのメモと、
ボクがさいきん気になっている「自給率」のおはなしについて。

===

葛巻は岩手の酪農のまち。
標高1,000メートルくらいの高原にあって、
牛さんのたくさんいる酪農のまちです。

人口8,000人にたいして
牛さんが11,000頭と、
人間より牛さんのほうがおおいそう。

1999年という比較的はやい段階で
観光とまちづくりの柱として宣言したのが
クリーンエネルギー。

「食料・環境・エネルギー」が
21世紀にはたいせつな問題になってくるということで
それにちからを入れているんだそうです。

===

たしかに
たべものも、環境も、エネルギーも、
ほうっておくとたりなくなっちゃう、
よごされてしまう、ということで
重要な問題です。

こういう問題にとりくむときに、
へんないいかただけど、地方のほうが
あるいみでは有利なんですだよね。

有利っていったら、おこられるかもしれないけど。

===

ところで、葛巻にとなりあう自治体が
朝ドラ『あまちゃん』の舞台、久慈市なの。

『あまちゃん』では
駅長さんの大吉さん(杉本哲太さん)が
なんどもくりかえして

「北三陸にはこれといった観光の目玉もねぇ」
「人口はどんどん減っていってる」
ということをいうんだけど、

人口がすくないというのは
こまったことではあるものの
「自給率」というみかたでは
じつは有利なんですだよね。

===

この岩手の葛巻町でも
こないだ地震のあった(阪神大震災にみまわれた)淡路島でも、
クリーンエネルギーにちからを入れているところって
エネルギー自給率のほかに食料自給率もあわせて
目標としてかかげているところも多いのね。

それはたぶん、
もとから自給率が高いからだと思うの。

もとから高いという特長があるから
「おお、がんばればこれは
 地域の特色としておしだせるくらい、もっと高められるぞ」
っていうことで、ビジョンをもってとりくんでいるんじゃないかな。

===

自給率ってどうやって計算するか、かんたんにいうと

   自給率 = つくりだすぶん ÷ 使うぶん × 100

で、出すんだけど

つまり、
たくさんつくって、使うぶんがすくなければすくないほど
エネルギーでもたべものでも、自給率は高くなるのね。

ということは、農業とか漁業に従事するひとがおおかったり
太陽光や水力や風力の発電所がおおかったりして
かつ、すんでるひとがすくないと、
自給率はあがるわけです。

===

『あまちゃん』の大吉さんのいう
「このまちには、これといった観光資源もねぇ」とか
「人口もへっていってる」っていうことは
自給率というものさしでみると
じつは都会よりもすごくすぐれてて、有利なんですだね。

たとえば食料自給率っていうのは日本全体だと
39%と4割をきっているんだけど、
淡路島は110%くらいだし
葛巻町は200%くらいだし、すごく優秀なの。

エネルギー自給率にいたっては日本ぜんたいだと4%。

(これは「電力の自給率」とはまたちがいますだよ。
 自動車や工場をうごかすための石油とか
 暖房やものを燃やすためのガスとか
 そういうのもぜんぶふくめた
 エネルギーについての自給率のこと)

淡路島は7%と、兵庫県内ではトップだし、
葛巻町は80%と、すごくレベルがたかいんだよね。

ほかにもエネルギー自給率のたかい自治体って
日本にはたくさんあるんですだよ。

===

エネルギーって
なくては人間が生きていけないもので
都会でこそたくさん必要なのに
なかなかつくりだせない。

だけど地方にはそのポテンシャルが
資源(太陽、風、水、木、火山……)という意味でも
用地(土地)という意味でも
人材(雇用)という意味でも
とてもたくさんある。

さいきん、
地方の可能性のひとつはまちがいなく
エネルギーなんだろうなぁって思います。

ボクのくらす福井県敦賀市では、
県知事さんも、敦賀市長さんも
あいかわらず原子力だいすきなままなんだけれどもね。
きもちがかわってくれたらいいのになぁ……。

===


◆葛巻町のご紹介ビデオ
5分くらいの長さ。
町長さんや風力発電の管理をするひとたちがでてきて、
どんなかんがえで自然エネルギーにちからを入れているかを
語ってくれていますだよ。


◆淡路島のエコ構想(あわじ環境未来島構想)の資料
自然エネルギーのことだけじゃなく、
農業やくらしやすさ、観光のことなども盛りこまれています。




0 件のコメント:

コメントを投稿